今回は、H27年経営法務の第9問の不正競争防止法の問題について解説します。
H27 第9問
不正競争防止法に定める不正競争行為に該当しないものとして、最も適切なものはどれか。
ア 広告に商品の原産地について誤認させるような表示をする行為。
イ 他人の商品の形態を模倣したものであるが、その商品の機能を確保するために不可欠な形態を採用した商品を譲渡する行為。
ウ 他人の商品又は営業と混同を生じさせることなく、他人の商品表示として需要者の間に広く認識されているものと同一の商品表示を使用する行為。
エ ライバル会社の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為。
解説
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの商品の原産地について誤認させるような表示をする行為は誤認惹起行為なので不正競争行為に該当します。そのためこの選択肢は×です。
選択肢イの他人の商品の形態を模倣したものは、商品形態模倣行為なので不正競争行為に該当します。ただ、「その商品の機能を確保するために不可欠な形態」とあるので、この場合、不正競争行為には該当しないと考えられます。
そのため、この選択肢は〇と考えられます。
念のため残りの選択肢を確認していきましょ。
選択肢ウは、「他人の商品又は営業と混同を生じさせることなく」とあるため、不正競争行為には該当しません。よってこの選択肢も〇と考えられます。
選択肢エは、信用毀損行為なので不正競争行為に該当します。そのためこの選択肢は×です。
選択肢を一通り見てみましたが、選択肢イ、ウどちらも〇のように思えます。
協会発表の解答によると、正解は選択肢ウということなのですが、色々調べてみたところ、選択肢イは「〇でいいのではないか?」という声が各方面で上がっています。
私も選択肢イを×とできる根拠を見つけることができず、問題として適切なものかどうか疑問を感じます。
そのため、この問題を使って勉強される場合は、無理にイは×であると覚えるよりは、アとエをしっかりと×と判断できたらOKとして、これ以上深入りしないことをお勧めします。
時間は有限ですので、微妙な問題に悩んで時間を潰してしまわず、どんどん先に行ってしまいましょう。
以上から今回の場合、正解は「選択肢アとエは×」とできればOKです。
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